2020 年 76 巻 2 号 p. I_122-I_131
平成28年8月北海道豪雨災害においては,地域に精通した地元の建設会社や建設コンサルタント等の技術者,作業員が非常時の特別な体制で被災状況の把握や応急復旧を進めた.さらに翌年度にかけて日勝峠などの復旧に向けた対応を厳しい条件下で継続した.この間,長時間勤務の継続に加え,災害対応の経験不足や情報共有不足に苦労した関係者も少なくない.
本稿は,地域の建設会社に対する応急復旧についての実態調査を行うとともに,産学官から構成されるワーキンググループにおいて実体験等を踏まえた課題の整理と対策の検討を行い,今後の大規模な災害に備え,地元の建設産業が,災害対応時に果たすべき役割やその際の課題を明らかにしたものである.