2020 年 76 巻 2 号 p. I_20-I_31
昭和30年代から現在に至るまで,全産業の死亡者に対する建設業の割合は高く,対策の必要性は高い.対策の一つとして,工事の作業内容別に分類された事例集の活用があるが,分類済みの事例集は非常に少なく,十分な学習につながらない.
本研究では,既存の建設工事事故事例集を作業内容別に分類する方法として,計量テキスト分析に着目し,各事例集に共通する災害状況の文書データを分析対象として,作業内容の分類傾向及び分類方法を検討した.
その結果,土木工事業全体のデータから,動作及び資機材、作業場所に関する品詞の共起関係を確認することで,主要な事故の型に関連性のある作業内容を抽出できた.また,共起に着目した分類手法を検討し,事例集内の主要な事例に対して,計量テキスト分析を用いた作業内容別の分類方法を整理した.