土木学会論文集F4(建設マネジメント)
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和文論文
元請負業者の施工要素技術の空洞化と経時的進行状況
浜田 成一貝戸 清之杉原 栄作水谷 大二郎
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2021 年 77 巻 1 号 p. 135-152

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抄録

 社会基盤施設を対象とする公共工事は,時系列的に直轄工事,直営工事,分業化工事という3種類の工事形態に区分される.いずれの工事形態であっても,建設工事を実施するためには,施工管理技術と施工要素技術が求められる.高度経済成長期以降,元請負業者と下請負業者との下請契約を通して,直営工事から分業化工事に工事形態が推移してきた.この過程において,元請負業者が保有していた施工要素技術が下請負業者に移行し,元請負業者が施工管理技術を,下請負業者が施工要素技術を保有する分業化体制が確立した.本研究では,元請負業者の施工要素技術が低下(空洞化)し,それが下請負業者に移行した実態と時期,さらに空洞化が今日においても継続している事実をアンケート調査などの分析を通して明らかにする.

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© 2021 公益社団法人 土木学会
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