2021 年 77 巻 2 号 p. I_42-I_56
本研究では,道路陥没等の地質・地盤リスクに対処するため,地質・地盤データを入力として施工の進捗により変化する地盤リスクを適宜更新し,追加調査等で地盤リスクを減ずるべきか否かという意思決定の最適タイミングを決定するモデルを,ベイズの定理とリアルオプションを用いることで構築した.ケーススタディとして福岡市地下鉄七隈線延伸工事による陥没のデータをモデルに適用し,追加調査に至らなかった意思決定の経緯を考察した.また,仮想の地盤データを用い,調査タイミングによる調査の価値の変化を示し,モデルに用いた各パラメータの影響を評価した.