抄録
本研究は,一般構造の交通ネットワークに対する“ボトルネック通行権取引制度 (TBP)”を考察する.TBPは,渋滞解消のための新たなスキームとして赤松・佐藤・Nguyen (2006) によって提案されたが,その理論的特性は,単一ボトルネックを対象とした場合しか明らかにされていない.本稿では,まず,単一ODペアを持つ任意構造のネットワークにおいて,TBP導入下の均衡状態が最も効率的な資源配分を達成できることを明らかにする.そして,この結果は,多起点・多終点の場合,OD需要が弾性的な場合,利用者の希望到着時刻が分布する場合等のより一般的な状況でも成立することが示される.さらに,混雑料金制とTBPとの理論的関係を示した上で,TBPが混雑料金制に対して持つ優位性を明らかにする.