抄録
本研究では,コンクリートの収縮に対して影響を与える骨材の各特性について,実験・解析双方から総合的な検討を行い,コンクリートの収縮と骨材特性の連関を定量的に把握することを目的とした.複合構成モデルを用いた解析を通して,骨材の弾性係数ならびに吸水率のみでは,骨材種の相違によるコンクリートの収縮挙動を合理的に説明できないことが明らかになった.そこで既往の研究で報告されている骨材自身の収縮特性に着目し,骨材の比表面積および内部飽和度の関数として体積変化モデルを提案した.その結果,骨材の種類によって大きく異なるコンクリートの収縮挙動を適切に予測することが可能となった.