抄録
極低温下におけるアスファルト材料は,温度応力に起因する低温ひび割れが発生する可能性があるが,アスファルト材料は使用する材料,配合,温度,載荷状態により物性値が大きく異なるため,その評価は容易ではなく,温度依存性などを考慮した評価方法の確立が課題となっている.そこで,温度応力を評価する解析方法について提案を行い,提案した粘弾性モデルを用いた温度応力解析の適用性について検討した.本温度応力解析は,温度や載荷条件などで変化する物性値を材料試験により求めて入力定数とする解析手法であり,本解析によってアスファルト材料に発生するひずみ履歴を再現できることを確認し,実構造物における温度応力による低温ひび割れの発生を評価する手法としての可能性を示した.