抄録
本研究は,団塊の世代が定年退職を迎え,年金制度の改定や継続雇用制度の拡充を背景に,2012年時点におけるシビルエンジニアの定年退職後の活動意向ならびに活動実態を明らかにすることを目的としたものである.分析の結果,多くのシビルエンジニアが65歳までの就業の継続を希望していること,また定年退職後も引き続き年金受給年齢まで継続雇用される制度については,定着してきていることを明らかにした.また,定年退職前と仕事内容は大きく変化しないのにもかかわらず,年収は大幅に減少する状態であるため,シニア技術者のモチベーションの維持が重要であることを示した.そして,政府の公共投資等,常時変化する社会情勢を見極めながら,抜本的なシニア技術者の雇用制度に関して検討する必要があることを示した.