土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
和文論文
水理観測と同位体分析に基づく干潟底質細粒画分の動態解析-沖縄県大浦川河口における事例-
宮平 譲坂巻 隆史
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 67 巻 2 号 p. 69-77

詳細
抄録
 大浦川河口干潟での調査から,底質含泥率と直上流速の関係を定量化した.その結果,含泥率と流速15cm/s以上の観測頻度の間に明確な負の関係がみられ,特に頻度が0.11~0.12以下の地点ではそれ以上の地点に比べ含泥率が顕著に高かった.放射性同位体7Beの分析では,表層底質中の細粒画分の平均滞留時間が非粘着性砂質,粘着性砂泥質,粘着性泥質を代表する3地点でそれぞれ36日,131日,68日と推定された.結果に基づき,底質砂層の巻き上げによる細粒画分の洗い流し,細粒画分の増加に伴う粘着性の発現,および粘着性底質表層における細粒画分の安定的定着の可否の観点から底質形成の機構を考察した.水理環境の変化に対する底質性状の非線形的な応答とともに,底質動態の解析における同位体分析の有効性が支持された.
著者関連情報
© 2011 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top