土木学会論文集G(環境)
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和文論文
下水高度処理技術の導入における放流水質と使用電力の変化の分析
塩尻 康夫前川 俊一
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2011 年 67 巻 4 号 p. 198-212

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抄録

 下水終末処理施設に高度処理技術を導入した場合における放流水質値と使用電力量の変化を分析した.放流水質値または使用電力量と高度処理率(施設の処理水量に占める高度処理水量の割合)との関係式を設定し,神奈川,東京,埼玉,千葉の101施設の8か年度の運用実績データに基づく回帰分析によって,高度処理率の係数値を推定した.その結果,窒素除去目的の高度処理を導入した場合,放流水のT-N値が51.3%減少し,使用電力量が52.2%増加していたこと,リン除去目的の高度処理を導入した場合,放流水のT-P値が27.8%減少していたことが明らかになった.分析結果を利用して,東京湾流域の71施設を対象に,各施設の高度処理率の引き上げの優先順位の計画の策定を試みた.

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© 2011 公益社団法人 土木学会
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