2011 年 67 巻 4 号 p. 223-234
交通振動等の環境振動公害問題に対して,著者らはスクラップタイヤを用いた地中遮断壁を提案し,実規模フィールド実験により地盤振動低減効果に対する有効性について検証を行ってきた.
本論文では,スクラップタイヤ地中遮断壁を対象に,軟質材の影響を評価するためのフィールド実験,およびモノレールに近接する住宅地での振動対策に関するフィールド実験により,本対策法の有効性に関する検討・考察を行った.その結果,軟質材量を2倍に増加させた遮断壁では重錘落下による地盤振動が2~3dB低減すること,モノレール交通への適用例では振動加速度が0.19~1.26gal低減(3.7~5.5dB相当の低減)すること,遮断壁背後での振動低減量は提案済の理論値とよく一致することを明らかにし,スクラップタイヤ地中遮断壁の振動対策法としての有効性を確認した.