2011 年 67 巻 4 号 p. 235-249
都市内で供用中の鋼高架橋において,大型車両が高速で伸縮継手部を通過する際に部材振動に伴って発生する騒音の低減対策工を実施するために高架橋の振動加速度と騒音を測定し,特定の周波数における主桁の部材振動と騒音の密接な関連を明らかにした.その結果,騒音の低減はその性状と現場の状況から判断して部材振動の抑制を図る方法が最適と考え,磁性式拘束型制振材の採用を決定してその設計を実施した.本研究では,鋼高架橋の部材振動とこれに伴って発生する騒音の性状を明らかにして磁性式拘束型制振材による対策工法の提案を行い,本高架橋を取り巻く一般の交通騒音の性状についても考察した.