抄録
鳥取砂丘については,その地形変化特性について,外力との関係を詳細に解析された例はない.本研究では,鳥取砂丘の主要部である浜坂砂丘の地形変化特性を把握するために,2007年から2009年にかけての約3年間の地盤高変化データに対して,経験的固有関数解析(EOF)を適用した.その結果,モード1の時間関数は2007年4月から2008年2月にかけて地盤高変化が顕著になっていることを示し,モード1の空間関数と合わせて考えると,砂丘の東側で主に堆積の傾向が認められた.また,風向風速や,飛砂の制限要因である植生分布のデータとモード1の時間関数や空間関数を行い,植生が地形を安定に保つ傾向にあること,海風と陸風が複合的に地形変化を起こしていることを示した.