抄録
沖縄・石垣島を囲む海域の世界屈指のサンゴ礁は、[外的要因]海水温上昇に伴う白化現象と[内的要因]の陸域の経済活動に伴う表土土壌(通称赤土)の海域流出による劣化現象の二面的問題に直面する。本稿では、内的要因中の流域の中心を占める農地からの赤土流出問題を扱う。第一に、本問題の原因について、本土復帰以降の大規模土地改良事業と換金作物としてトウキビ単品目栽培の普及が影響している点を明らかにする。第二に、その対策として、零細農家が多い亜熱帯島嶼の地域特性のもとで、収益効果の高い環境経済調和型農業生産モデルを設定し、二年間に亘る栽培実証実験をもとにその収量・品質,収益性,環境性を実証した。