土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境システム研究論文集 第40巻
旅行費用法と整合的な応用一般均衡モデルの開発
坂本 直樹中嶌 一憲
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2012 年 68 巻 6 号 p. II_217-II_228

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抄録
 気候変動による経済的影響を評価する方法として,旅行費用法や仮想市場法の適用が考えられる.しかしながら,これらの手法は個別の事例を対象とした部分均衡分析であり,気候変動による経済的影響の波及効果までは評価できない.そこで,本研究では,旅行費用法において用いられるレクリエーション需要関数に関して積分可能性問題を解くことにより,気候変動により被害を受ける環境質を独立変数として持つ効用関数を導出し,その効用関数を統合した応用一般均衡モデルの理論的枠組みを開発することを目的とする.また,本研究は日本全国の砂浜を対象として,砂浜浸食シナリオを用いた数値実験により,本研究で開発したモデルの挙動を確認し,実証分析への適用可能性を示す.
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© 2012 公益社団法人 土木学会
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