2012 年 68 巻 6 号 p. II_411-II_418
本研究では,公共事業計画策定過程の議事録に対してテキストマイニングを用いて議論内容を定量的に把握するための基礎的研究として,分析対象とする語の恣意性を排除した選定手法(DFIMF)を含む,話し合われたテーマとその変遷を把握するための分析手法の開発を試みた.開発した手法を既存のTFIDFとともに淀川水系流域委員会本委員会の議事録に適用した結果,議事録から議論内容を把握することに関して,TFIDFに対するDFIMFの優位性を示すことができた.また,同委員会において話し合われたテーマは大きく「水需要管理」や「住民参加」「生態系保全」から「ダム建設」と「洪水対策」へ変化し,再び「住民参加」に,その後「計画高水位」と「洪水対策」,最終的に「進捗点検」へと変化していったことを定量的に把握することができた.