抄録
嫌気/好気活性汚泥法およびDown-flow Hanging Sponge (DHS)法の汚泥中に存在する真核生物の群集構造を,18S rRNA遺伝子情報を用いて解析した.嫌気/好気活性汚泥法では濁度の除去に寄与する繊毛虫亜門Opercularia属に近縁なクローンが優占していた.一方DHS法では,節足動物門に近縁なクローンが全体の50%以上を占めた.遺伝子解析結果を既報の顕微鏡観察結果と比較すると,活性汚泥においては相関が見られたが,より高次な生態系が構築されていると推察されるDHS汚泥においては結果が異なり,遺伝子解析と顕微鏡観察を相補的に用いる必要性が示唆された.また,遺伝子解析より綱レベルで未知な配列が回収され,顕微鏡観察に比べ未知の真核生物群を評価できる可能性が示唆された.