抄録
混合下水汚泥の高温嫌気性消化における高負荷化(HRT10日)を目指し,余剰汚泥の加熱処理(170℃,1時間)と微量金属(NiおよびCo)の添加について検討した.余剰汚泥を加熱処理した下水汚泥を用いると,無処理の場合よりVS分解率で約6%,VSS分解率で約9%上昇し,消化汚泥の脱水性も顕著に改善された.微量金属の添加は,固形物分解には影響しなかったが,有機酸濃度をやや低下させる効果があった.DGT法によれば,消化汚泥中の溶解性濃度のうちNiは大半,Coはごく一部が生物利用性であると推定され,さらにCoの場合は下水汚泥中の含有量自体も多くないことが懸念された.PCR-DGGE法による古細菌叢解析の結果,消化汚泥中にはMethanosarcina sp.およびMethanosarcina thermophilaに相同性の高い古細菌が検出された.