抄録
本研究は,下水汚泥のエネルギー価値に着目し,焼却-発電システム導入の有効性について検討することを目的とし,従来焼却方式と燃料化方式,および機内2液調質型遠心脱水を前提とした発電付焼却方式について,異なる処理規模において,ユーティリティーコストならびに温室効果ガス排出量低減の観点から比較評価を行った.その結果,発電付焼却方式は,一定規模以上にて,他の処理方式と比較して最もコストが抑制され,従来焼却方式に対して約30%低減できると試算された.また,温室効果ガス排出量については,発電付焼却方式は,燃料化方式と比較して低減効果は低いが,下水処理場の自立を考えた場合は最も低減され,従来焼却方式に対して90%以上低減されることが明らかとなり,導入の有効性が示された.