抄録
アオコの発生が問題となっている中国江蘇省太湖において,陸上起源有機物(陸上植物)と内部生産された有機物(藍藻類)が底質有機炭素にどの程度寄与しているのか,また,底生動物および細菌にどの程度利用されているのか,安定同位体比を用いて解析した.その結果,太湖の底質有機物は4地点の平均で陸上植物が66.6%,藍藻が33.4%であり,通年藍藻が大発生している現状にもかかわらず,藍藻の寄与率の方が小さかった.さらに底生動物は主に藍藻を同化していること,底質中の細菌は主に藍藻を同化していることが明らかになった.このような細菌や底生動物による利用性の高さが,陸上植物に比べて藍藻由来の有機物の底質有機物に対する寄与を小さくしていると考えられた.