抄録
濃縮経路を水もしくは餌を通じてのものに分け,また二枚貝の成長を考慮したPOPs濃縮モデルを構築した.ヤマトシジミを用いての浮遊物質濃度を変化させた室内曝露実験からモデルの諸係数を算出した結果,水からのOCPs吸収効率が概ね1となり,対象物質の濃縮係数を主として支配する因子は排出速度定数であることが提示された.浮遊物質濃度が1.20 mgC/Lから8.52 mgC/Lに上昇すると,logKowが6程度の物質の濃縮係数が1オーダー減少することが分かった.モデルを用い,実環境中でのシジミ類中濃度変化を再現できたことから,モデルの実環境への適用性が示された.また,このモデルにより,ムラサキイガイの殻長の増加と成長障害が再現され,ムラサキイガイ中PCBs濃度の計算値は実測値を表現できていることから,本モデルの妥当性が提示された.