抄録
本研究は中国太湖の富栄養化軽減策の立案に資するため,東太湖,梅梁湾及び西部沿岸で水質と生物相を調査した.梅梁湾と西部沿岸ではChl.a,濁度,T-N,T-P の差が地点によって大きく,全体的に過栄養状態であり,東太湖では比較的低い値であった.梅梁湾ではClh.aとT-N,T-Pとの間に高い正の相関性があり,アオコの発生と栄養塩濃度の関連性が認められた.水生植物群落は合計12種で,東太湖で12種,梅梁湾で2種,西部沿岸で1種が確認され,東太湖では沈水植物が6種で優占した.東太湖と梅梁湾ではシアノバクテリアは計10種,植物プランクトンは珪藻21種,緑藻20種の計41種が確認され,東太湖ではその内41種が確認された.多種の沈水植物群落がみられる東太湖では植物プランクトンの種数も多く,生物多様性が高くなることが示された.