2013 年 69 巻 7 号 p. III_275-III_280
本研究では, 新規に開発した特異的イオン認識蛍光色素(フルオロイオノフォア)を用い, 蛍光分光法により工場廃水中のZn2+を定量することを試みた. フルオロイオノフォアはZn2+と結合すると蛍光スペクトルが長波長シフトし, Zn2+濃度に依存したレシオメトリック型の蛍光スペクトル変化を示した. フルオロイオノフォアを実廃水試料に適用したところ, CrやNiが高濃度に含まれている廃水においても誤差20%以内でZn2+を定量できた.