抄録
住居地域を中心とした流域の河川において, GC/MS一斉データベース分析を用いて化学物質を同定し, ヒメダカ仔魚濃縮毒性との関連を検討した. その結果, 100倍濃縮により魚類半数致死濃度と同オーダーに達する化学物質が含まれる河川があること, 半数致死濃度とGC/MSの検出濃度から濃縮毒性を説明することは難しいこと, 住居地域が優占する流域では, 流域ごとに異なる化学物質が検出されるものの, 濃度は相対的に低いものが多く, 化学物質濃度にかかわらず下水道未整備流域で濃縮毒性が高くなること, 流域の準工業地域や近隣商業地域の比率が大きい場合, 流域毎に異なる化学物質濃度が高く, 同時に濃縮毒性も高くなりやすいこと, 化学物質の組成は, ごく短い流下過程においても大きく変化することを示した.