土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境工学研究論文集 第50巻
水生生物3種に対する短期慢性毒性試験を利用した河川水試料中の毒性原因物質群の特徴化
森田 隼平安田 侑右田村 生弥鑪迫 典久山本 裕史
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 69 巻 7 号 p. III_401-III_410

詳細
抄録

 当研究グループでは以前より, 米国等で排水や環境水の評価・管理に用いられているWET手法の中の短期慢性毒性試験を用いて, 都市河川や全国一級河川水の毒性影響を評価してきたが, 検出された毒性の原因物質が不明確であった. そこで本研究では, 毒性影響が検出された首都圏, 近畿圏, 吉野川水系など計7地点について, WET手法の毒性同定評価(TIE)を参考に固相抽出による前処理等を実施することにより, 毒性原因物質群を特徴化した. その結果, 藻頬の生長阻害は, 金属等の陽イオンの寄与, 甲殻類の繁殖阻害には, 有機物と金属等の陽イオンの両方が寄与しており, 魚類の仔魚致死には, 有機物が寄与している地点が多いことがわかった.

著者関連情報
© 2013 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top