土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境工学研究論文集 第50巻
温暖化による水温および水深の変化が海草の光合成・呼吸速度に与える影響
長濱 祐美池上 裕輔野村 宗弘西村 修
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2013 年 69 巻 7 号 p. III_473-III_479

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抄録

 海草は沿岸域の生物多様性に対し重要な役割を担っていることが知られている. 一方で, これらの海草が受ける温暖化の影響が懸念されている. 海草コアマモ(Zostera japonica)は, 他海草よりも浅い環境を好み, 潮間帯や潮下帯上部に生息することから, 海面上昇や水温変動などの温暖化の影響を直接的に受けると推測されるが, 温暖化に対する既往の知見が少ない. そこで, 異なる水温下や光量子量における海草コアマモの光合成速度と呼吸速度の測定結果から, コアマモ光合成モデルを作成した. さらに, 同様にアマモ(Zostera marina)のモデルも作成し, これらにIPCCのA1Bシナリオを組み込むことで温暖化がこれらの海草に与える影響を検討した. その結果, コアマモの生育下限では季節的に光合成量の減少が見られるが, 生育上限では増加することが示された.

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© 2013 公益社団法人 土木学会
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