2013 年 69 巻 7 号 p. III_481-III_488
平成18年10月に「多自然川つくり基本指針」」1)が通知され, 平成20・22年に技術基準解説書「ポイントII, III」2)が作成された. 今後, 例えば魚類生息場の改修や保全する場合に設計が正しいかどうか照査できるシステムが必要となる. しかし, まだ実務では事例や技術基準解説書を参考に河川の特性を把握し経験的に現場に適合するように技術基準の採用を判断しているのが実情である. そのため, 魚類の生息に適した環境を把握し評価する方法としてPHABSIMが挙げられる. そこで, 本研究では, 2河川において単調区間4箇所と多様区間3箇所を調査し, 魚類生息密度と環境多様度指数の関係を確認した. また, その作業のなかで個々魚類の流速, 水深, 底質への選好性について多くの文献からデータを得ることができた. ここで得られた資料を基に, 河道計画において実務で採用可能な魚類生息場評価手法を提案する.