2013 年 69 巻 7 号 p. III_539-III_546
下水処理システムとして導入が検討されているUASB-DHSシステムにおける, 第三世代型(G3)と第六世代型(G6)担体を充填した実証規模下水処理DHSリアクターの微生物群集構造を, rRNA遺伝子クローニング法およびリアルタイムPCR法を用いて解析した. クローン解析による結果は, 流入水温の異なる期間において微生物群集構造が異なっていることを示しており, 高水温時において微生物多様性は高く, 低水温時において多様性は低かった. リアルタイムPCR法によるnirS, nirK遺伝子を標的とした脱窒細菌群の定量の結果, 多くの場合においてリアクターの高さ方向における脱窒細菌群の存在割合は, ほぼ一定で推移していた. またその存在率から, 活性汚泥プロセスと同程度の脱窒細菌群を保持している可能性が示された.