2013 年 69 巻 7 号 p. III_531-III_538
高感度fluorescence in situ hybridization (FISH)法の一つである(two-pass) tyramide signal amplification(TSA) -FISH法を利用し, 脱窒素細菌が保有するrRNAとnitrite reductase (nir) K遺伝子の同時検出を行った. まず三種類の純粋菌株, Pseudomonas aureofaciens, Achromobacter denitrificans, Pseudomonas stutzeriを用いて, rRNAとnirK遺伝子が高い検出率をもって同時に可視化できることを確認した. 次に, 人工培養液を用いて連続培養した屎尿・浄化槽の脱窒素処理汚泥に対し, 16S rRNA遺伝子, 及びnirK遺伝子に基づく分子系統解析を行った. 最終的に, 屎尿・浄化槽汚泥内に存在する脱窒素細菌のrRNAおよびnirK遺伝子の同時検出を行い, 優占する脱窒素細菌としてHyphomicrobium属の存在を明らかにした.