2013 年 69 巻 7 号 p. III_597-III_603
小規模下水処理場に適した効率的な嫌気性消化を目的として, 高濃度混合嫌気性消化実験を行った. 石川県A町を対象フィールトに設定し, 小規模下水処理場で数多く採用されている水処理方式であるオキシデーションティツチ法から発生する汚泥(OD汚泥)とA町で発生する代表的な有機性廃棄物である廃油揚げを用いて, 連続式実験を実施したところ, OD汚泥単独系では投入有機物槽負荷3.4kg-VS/m3/dまで, 廃油揚げとの混合系では3.5kg-VS/m3/dまでは, 安定的に発酵反応が進行した. また, 廃油揚げのVS分解率は80~90%程度であり, 嫌気性消化において優良な基質であることがわかった.