2013 年 69 巻 7 号 p. III_605-III_614
下水汚泥に加えて食品系廃棄物, 生ごみ, 畜産廃棄物, 野菜屑などに馴致した消化汚泥を用いた回分式実験を中温および高温条件下で行い, 基質および消化汚泥の性状ならびに消化特性を比較した. 有機性廃棄物は, 含まれる有用な物質も多いことから, メタン発酵後段の資源回収や肥料利用も含めて, 下水処理場への受入が有用になることが考えられた. メタン転換率は中温と高温で大きな差がなく, おおむね下水汚泥と同等以上のCOD基準メタン転換率0.6以上が得られた. メタン転換率の高い廃棄物はど反応速度の速い傾向が見られた. 消化液への水質影響として, 中温と高温で区別して, 投入基質のC/N比とアンモニア性窒素の増加, C/P比とリン酸態リンの増加などについての関係が示された.