土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境工学研究論文集 第50巻
高濃度鶏糞のメタン発酵におけるアンモニア阻害と発酵温度の影響
北候 俊昌牛 啓桂喬 瑋李 玉友
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 69 巻 7 号 p. III_615-III_621

詳細
抄録

 TS濃度約10%の高濃度鶏糞を用いて中温と高温のメタン発酵の連続実験を行い, そのメタン発酵性能およびアンモニア阻害の検討を行った. 中温発酵では生鶏糞を用いても安定したメタン発酵が継続した一方で, 高温発酵では脱アンモニア鶏糞のメタン発酵は順調に行われたが, 生鶏糞ではアンモニア阻害が生じた. ガス生成状況などから判断して, 中温発酵ではアンモニア性窒素(TAN)濃度が4000~5000mg/L, 高温発酵では4000mg/L以下で阻害を受け始めたと考えられるが, 急激な揮発性脂肪酸の蓄積はTAN濃度約10000mg/L(中温発酵)および約5000mg/L(高温発酵)で生じ, その阻害濃度は異なる結果となった. またTANの増加に伴い各有機物の分解率は低下する傾向を示したが, 特にタンパク質の分解は他の有機物に比べてアンモニア阻害に対して影響を受けやすいことが明らかとなった.

著者関連情報
© 2013 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top