土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
地球環境研究論文集 第22巻
タイにおける豪雨に伴う斜面崩壊危険度の将来予測
井上 尚達風間 聡小森 大輔
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2014 年 70 巻 5 号 p. I_183-I_188

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抄録

 タイ全土に適用可能な斜面崩壊危険度の将来予測手法を提案した.将来の降雨極値の予測値はCMIP5の3つの気候モデル(MIROC5,MRI-CGCM3,GFDL-ESM2G)と4つのRCPシナリオ(RCP2.6, RCP4.5, RCP6.0, RCP8.5)から将来のトレンドを算出し,月降雨量と日降雨極値との間に線形関係があるとして将来の降雨極値を予測した.緯度経度0.05度格子により示された斜面崩壊危険度の将来予測値はGCM,RCPシナリオ,解析期間(現在,近未来,中未来,遠未来)毎に地図化した.MIROC5のRCP8.5シナリオの中未来において降雨極値は現在気候と比べ最大18%の増加を示した.全てのモデル,解析期間,将来気候で発生確率70%以上が示された危険度の高い地域は,北部山岳域,中西部山岳域,マレー半島西部,マレー半島中央部である.

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© 2014 公益社団法人 土木学会
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