抄録
インドネシア政府はコペンハーゲン合意に対する温室効果ガス排出削減目標として,2020年までに対策を取らない場合の排出量から自国による取組として26%削減とする目標を提出した.本論文では,農業・森林・土地利用変化部門における温室効果ガスの排出削減評価モデルを用いて,上記の目標の達成の可能性を評価した.さらに,達成可能な場合,排出緩和のための具体案と費用を明らかにした.その結果,森林・土地利用・農業部門における上記の目標は達成可能であること,そのときの2020年の削減費用は,森林・土地利用部門で147百万ドル/年,農業で13.9億ドル/年となることが明らかになった.