土木学会論文集G(環境)
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地球環境研究論文集 第22巻
滋賀県瀬田丘陵における微小粒子状物質PM2.5の2013年の高濃度解析
三原 幸恵市川 陽一
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2014 年 70 巻 5 号 p. I_71-I_77

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抄録
 滋賀県ではこれまで微小粒子状物質PM2.5のデータの公表が進んでおらず、実態が把握されていない。本研究では滋賀県瀬田丘陵において、PM2.5の連続測定を行い、金属と無機イオンの成分分析ならびに空気塊の輸送解析を行った。瀬田丘陵の高濃度の主な原因の1つは黄砂であるといえる。黄砂観測日のPM2.5からは黄砂の元素成分であるAl、Ca、Fe、Mg、Siが検出された。無機イオン分析結果から、年間を通じてNO3-よりもSO42-が卓越していること、SO42-は主に微小粒子側に(NH4)2SO4の形で存在することがわかった。成分分析と流跡線解析の結果から、黄砂観測日以外の高濃度日には中国や韓国からの越境汚染や、国内都市部の人為起源や火山からのSO2の影響が見られた。
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© 2014 公益社団法人 土木学会
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