抄録
2000年のノリ不作問題を契機に,有明海海域環境問題が社会問題となり,諫早湾干拓調整池(以下,調整池)では,調整池排水門の開放に係る環境影響評価が実施されたが,懸濁性物質濃度(SS)の予測,特に海水導入に伴う調整池内SSの凝集沈降現象に関して,検討の余地が残されているようである.本研究では,2002年に実施された短期開門調査結果のSS実測値との再現結果から沈降・巻き上げパラメータを推定し,海水レベルの塩分条件下での調整池のSS挙動と開門後を想定した調整池のSS計算を行い,調整池内での堆積現象について考察した.海水導水による希釈と海水レベル塩分条件下での凝集沈降によるSS濃度減少及び海水導入後における調整池内での堆積が生じることを明らかにした.