土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境システム研究論文集 第42巻
処理規模の変化に応じた下水汚泥処理施設更新の将来計画-和歌山市におけるケーススタディ-
中尾 彰文山本 祐吾吉田 登
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 70 巻 6 号 p. II_381-II_392

詳細
抄録

 本研究では,和歌山市をケーススタディの対象地として,将来の公共下水道人口と下水汚泥発生量の変化を考慮した下水汚泥焼却設備の更新シナリオを設計した.その上で,汚泥処理の集約化や現有焼却炉代替の高温焼却およびバイオオイル化技術の導入によるエネルギー消費量,GHG排出量の削減効果をシナリオ別に評価した.その結果,1)汚泥処理を集約化して設備利用率を高めることで,環境負荷削減においてスケール効果を得ることができること,2)エネルギー効率に劣る炉を早期に休廃止もしくは低炭素技術に更新するとともに,処理の集約化を図る計画のほうが,単独処理をするよりも環境負荷低減効果が高いこと,3)低炭素技術の選択と汚泥処理の集約化によって,エネルギー消費およびGHG排出量がそれぞれ最大で19.6%,19.2%削減可能となることなどが明らかになった.

著者関連情報
© 2014 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top