抄録
福島第一原子力発電所の事故後,除染作業が進められており,除染廃棄物の中にはCsなどの放射性物質を含む土壌も存在している.廃棄物を焼却などを行った場合の放射性物質の挙動を把握する必要があるため,本研究では,Cs,Srを添加した土壌を熱処理し,溶出試験を行った.その結果,Csは熱処理温度の上昇に伴って溶出率が低下し,乾湿繰り返しによる差は見られなかった.これは,熱処理を行うことで,Csが土壌に固定されたためであると考えられる.Srは熱処理温度の上昇に伴って溶出率が上昇し,乾湿繰り返しを2回行った方が溶出率は小さくなった.熱処理によって,土壌を含む除染廃棄物中のCsが土壌に固定され,環境中への溶出を低減させる効果がある可能性が高い.