抄録
下水処理場の消化設備を用いた下水汚泥と未利用バイオマスの混合嫌気性消化が注目されている.本研究では新潟県で大量に発生している稲わらに着目し,実際の下水処理場内でパイロットスケールの実証実験を行った.実験系列として対照系の下水汚泥単独系,稲わらを水に浸漬させて投入した稲わら系,酵素水に浸漬させて投入した酵素稲わら系の3系列を運転した.稲わらを,これまでの破砕径よりも多少粗く2~3mmに破砕することによって,下水汚泥との固形分混合比1:0.5で投入した場合,稲わらからの正味のガス発生量は342~377NL/kg-VSとなり,破砕径変更前に比べ大幅な増加を示した.一方,固形分混合比1:0.75の条件では,消化自体は安定していたが正味のガス発生量は218~242NL/kg-VSに低下した.いずれの混合比においても稲わら系よりも酵素稲わら系の方がガス量が高く,酵素の効果が示された.