抄録
落差工が多数設置されている押野川で河川環境改善のため既設落差工を多自然魚道へ改修後,基本的な構造およびヤマメによる放流実験は既に報告済みであるが,完成から15年経過後の状況は把握されていなかった.そこで今回調査を計画し実施した.その内容は,土砂堆積の状況および石や木杭など本体構造の変化,魚類および底生動物に関する生物調査を含め,生物の生息環境なども検討した.その結果,本魚道は全般的に土砂の堆積が進行し,石の一部流出が生じているものの,魚がそ上できる機能は維持されており,木杭は腐食しない状態で存続していることが確認された.魚類および底生動物の調査ではこれら生物の生息状況も把握でき,魚道区間内のプール部と止水域の存在は生息環境の多様性をもたらしていると考えられたので報告する.