土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
71 巻, 2 号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
和文論文
  • 多胡 治, 秋山 利一, 後藤 和也, 林 不二雄
    2015 年 71 巻 2 号 p. 49-61
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/20
    ジャーナル フリー
     落差工が多数設置されている押野川で河川環境改善のため既設落差工を多自然魚道へ改修後,基本的な構造およびヤマメによる放流実験は既に報告済みであるが,完成から15年経過後の状況は把握されていなかった.そこで今回調査を計画し実施した.その内容は,土砂堆積の状況および石や木杭など本体構造の変化,魚類および底生動物に関する生物調査を含め,生物の生息環境なども検討した.その結果,本魚道は全般的に土砂の堆積が進行し,石の一部流出が生じているものの,魚がそ上できる機能は維持されており,木杭は腐食しない状態で存続していることが確認された.魚類および底生動物の調査ではこれら生物の生息状況も把握でき,魚道区間内のプール部と止水域の存在は生息環境の多様性をもたらしていると考えられたので報告する.
  • 小島 啓輔, 田崎 雅晴, 岡村 和夫, Mark N. SUEYOSHI , Rashid S. Al-MAAMARI
    2015 年 71 巻 2 号 p. 62-72
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/20
    ジャーナル フリー
     オマーンでは,水不足の問題と同時に,石油随伴水による環境汚染に対応するための処理コストの低減が課題となっている.石油随伴水を低コストで処理し新たな水資源として利用することで,上記の問題解決への貢献を試みた.本論では,実際に石油随伴水処理水を灌漑利用することを目的とし,ランニングコストを試算した.油処理の観点からは,提案している凝集浮上法で排水利用基準を満足することが可能であり,また石油随伴水の水質によっては処理コストも現状より優位になる可能性が示唆された.灌漑利用するにあたり,塩分とホウ素を除去する工程を考慮し,さらに灌漑利用によって得られるトマトの収入を考慮した結果,現状よりもコストダウンをすることが可能であることが試算された.以上より,石油随伴水の水資源としての利用価値が確認された.
feedback
Top