土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
地球環境研究論文集 第23巻
将来の環境変化が国内のダム湖水質に与える影響の予測
梅田 信桑原 亮
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 71 巻 5 号 p. I_127-I_134

詳細
抄録
 本研究では,国内にある33の水道水源ダムを対象として,温暖化や流域環境(集水域人口変化)による将来(今世紀中)における水質への影響を検討した.予測手法は,筆者らによる既往検討成果も活かしつつ,鉛直一次元解析(湖内水温モデルと湖内水質モデル)および流域負荷の統計的モデルの3つを組み合わせたものとして構築した.その結果,ダム湖における植物プランクトンの増殖に関しては,将来の気温上昇よりも,人口減少による流域からの栄養塩負荷減少の影響が大きく,現存量が低下する傾向が高いことが予測された.しかし,現在の流域人口が比較的小さいダムが多い北日本においては,今世期末に温暖化で水質悪化の可能性が示唆される結果も得られた.
著者関連情報
© 2015 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top