抄録
緑化ブロックが景観に及ぼす影響を評価するために,3つの要素(植被率,護岸の形状[景観パターン],草丈)によって景観との調和や目立ちにくさが異なるかを,アンケート調査によって得点化し解析した.調和の得点は植被率が高いほど高く,穴や千鳥-穴より階段タイプで高く,草丈が低い,高低混合の条件で高かった.目立ちにくさの得点も,草丈が高低混合の時に高かった以外は,同様の結果だった.事実,調和の得点は目立ちにくさの得点と正の相関関係にあった.両得点が平均値を越えたのは植被率が70%以上の条件でのみだった.以上の結果より,緑化ブロックの景観評価は主に植被率によって変化し,護岸の形状や草丈によっても影響されることが明らかとなった.よって,緑化ブロック単体での景観評価は過小評価になることに注意が必要である.