土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境システム研究論文集 第43巻
富士山登山者数の上限の推計と入山料によるその実現可能性の評価
康井 洵之介棟居 洋介増井 利彦
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2015 年 71 巻 6 号 p. II_339-II_348

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抄録

 富士山は,2013年に世界文化遺産登録を果たしたが,近年の登山者増加により持続的に利用していく上での許容量を超えているということが指摘されている.本研究では,屎尿処理問題と安全性の確保の視点から,登山者数の上限をルート別に推計した.また,富士山への訪問需要関数を求めることによって,現状の登山者数を推計した上限以下に抑えるための入山料の金額を推計した.結果としては,現状の登山者数はルートによっては上限を大きく上回っていることが明らかになった.登山者数を上限以下に抑えるための入山料を訪問需要関数をもとに推計したところ,登山シーズン全期間の登山者数を対象とした場合にはルート別に0円~3,000円という結果が得られたが,土日等の集中利用時期の混雑解消のためには,2,500円~8,000円の入山料が必要になることを明らかにした.

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© 2015 公益社団法人 土木学会
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