抄録
近年のリン鉱石の輸入価格高騰や輸入量減少により,下水処理場からのリン資源回収に注目が集まっている.その技術の一つであるMAP法は,リンを高効率に回収し,その回収物を化成肥料として販売できる優れた方法であるが,多量のマグネシウム薬剤の添加が必要となることから,コストの高さが問題となっている.本研究では,HEATPHOS法を適用し,ポリリン酸からMAPを形成することによるマグネシウム添加量削減の可能性を評価した.活性汚泥を70℃80分加熱することにより抽出させたポリリン酸を多量に含有する溶液にMAP法を適用した結果,ポリリン酸からMAPを形成することが可能であることが確認された.その形成に要したMg量はリン酸イオンを多量に含有する溶液に比べ,約1/2となり,ポリリン酸によるマグネシウム薬剤添加量削減が可能であることが明らかとなった.また,両溶液のリン回収率について比較したところ,ポリリン酸多量の溶液が7.4%大きい値を示した.