土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
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環境工学研究論文集 第52巻
下水処理場の地域における物質・エネルギー循環拠点化に関する研究
福嶋 俊貴
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2015 年 71 巻 7 号 p. III_99-III_106

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抄録
 下水処理場を地域における物質・エネルギー循環の拠点として捉え,第二ステップとして流入下水中有機物の活用法として消化ガス発電と汚泥焼却発電をその組合せ(複合発電)も含めて検討した.一方,物質循環拠点としてはリン回収を取り上げ,灰アルカリ法とMAP法でリン回収量を試算した.さらに,地域バイオマス活用として生ごみやし尿・浄化槽汚泥を受入れた場合の効果も試算した.下水処理量48,000m3/日のモデル処理場を対象として,固形性有機物回収技術として高効率固液分離を導入することにより,通常の消化ガス発電による電力自給率6.2%が13.0%まで増加し複合発電では18.6%と3倍に増加した.リン回収では水処理工程でリンを汚泥に移行させるAO法の採用により灰アルカリ法では標準法の1割から3割まで回収量が増加した.地域バイオマスの嫌気性消化槽への受入では消化ガス発生量の増加により発電量の増加や返流水からのMAP法によるリン回収量の増加が期待された.各種施策を下水処理場における環境性能という観点から水環境効率で評価するとベンチマークとした消化ガス発電の1.62kg/kWhに対し,汚泥焼却発電は1.96kg/kWh,リン回収は2.08kg/kWhであった.各種施策の組合せによる水環境効率3kg/kWhが目標となるのではと考えられた.
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© 2015 公益社団法人 土木学会
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