抄録
生物影響ベースのモニタリング手法開発のため生物体内で応答するバイオマーカーのうち総抗酸化活性(TOSC)に着目し,底生昆虫(ヒゲナガカワトビケラ)に適用した.その結果,一定以上の成長度を持つ個体については,湿重量が大きいほどTOSCが高かったことから個体の湿重量に応じた補正を要することが示された.さらに,室内実験により短期的な水温変動を与えたところ,水温上昇により発生した酸化ストレスに対しTOSCの低下が見られた.その後,曝露時間とともに生残率の減少するものの生存個体のTOSCが増加することがわかった.一方,濁水に対しては,生残率には影響がないものの一定以上の濃度でTOSCの応答が見られた.したがって,TOSCを用いることで水温や濁りの急激な環境変化に伴う影響について検出可能であることが示された.