抄録
1960年代の燃料革命以降,里山の管理放棄,マツノザイセンチュウ被害等により,アカマツ林は衰退,消滅した。現在,里山の衰退による生物多様性の悪化,水源涵養機能,国土保全機能の低下が問題視されている。
よって里山におけるアカマツ二次林の再生を目指し,マツ枯れ被害地においてアカマツ林の実生定着特性,樹高の初期成長について調査した。結果,Ao層が薄い急斜面においてアカマツ実生本数,生存率が有意に高い事が確認された。また,樹高成長曲線は最も誤差平方和の少ないロジスティック曲線を選び,過去の文献と比較して十分な成長が確認された。