土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境工学研究論文集 第52巻
琵琶湖岸における絶滅の恐れのある植物種の地域別・群落形状別の生育環境特性
田中 周平水谷 沙織田淵 智弥辻 直亨西川 博章藤井 滋穂
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2015 年 71 巻 7 号 p. III_205-III_213

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抄録
 本研究では2008~2011年に琵琶湖岸のヨシ群落165群落において単独測位携帯型GPS植生調査および地盤高測量を行い,絶滅の恐れのある植物種の地域別・群落形状別の生育環境特性を検討した.主な成果を以下に記す.1)環境省RDB記載13種,滋賀県RDB記載25種が確認された.2)最も貴重植物が出現した群落は針江であり,5種の貴重植物(ミズネコノオ, ナガバノウナギツカミ, ヒメナミキ, ハナムグラ, ウスゲチョウジタデ)が出現した.3)貴重植物種の出現群落の中心地盤高と地盤高高低差との関係を検討し,群落の地盤高高低差45cm以上で貴重植物評価値が高くなる傾向が見られた.4)琵琶湖岸で絶滅の恐れがある植物種が多く生育する植物群落は,針江,延勝寺,小野,塩津浜であり,地域別・群落形状別に多様な生育環境特性を示した.
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© 2015 公益社団法人 土木学会
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