抄録
一般廃棄物焼却飛灰のキレート処理において、有害性重金属の不溶化における鉱物学的および物理的不溶化の影響について検討した。単純な湿潤化やキレート処理によってettringiteが飛灰粒子上に二次生成されるが、500回の分析を経てもettringiteへの重金属濃集は観察されなかった。同一の飛灰粒子を湿潤処理の前後で観察したところ、不溶性鉱物であるgypsum等が粒子表面に二次生成された場合のみ、可溶性成分の移動が抑制されていた。よって、短期間で二次生成される鉱物による鉱物学的な不溶化効果はほぼゼロであり、水分浸透防止による物理的な不溶化効果も限定的なものに留まる可能性が示唆された。よって、キレート処理による有害性重金属の不溶化効果とその持続性は、キレート剤と有害性重金属の錯体安定性に支配されると考えられる。